不当な訴訟指揮に対する救済申し立て

東京弁護士会会長 殿(法廷委員会)

2014年5月9日

12.6秘密法国会傍聴者弾圧救援会

〒105-0004 東京都港区新橋2-8-16 石田ビル5階 救援連絡センター気付

TEL: 03-3591-1301 FAX: 03-3591-3583

 

不当な訴訟指揮に対する救済申し立て

 

2013年12月6日の「特定秘密保護法」強行採決に国会傍聴席から靴を投げて抗議したAさんは「威力業務妨害」で逮捕・起訴・3か月弱勾留されました。その初公判が4月24日に東京地裁429号警備法廷で行われました。私たちは裁判の支援者です。地裁13部の安東章裁判長があまりに酷い法廷警備と訴訟指揮を行ったため、申立てします。

1:429号警備法廷の異常性

私たちは傍聴希望者が全員入れる大法廷を求め続けていましたが、安東裁判長は何の根拠もなく警備法廷を指定しました。そこは廊下と法廷の間に柵を作り、傍聴券をもらえなかった人を法廷前に立ち入り禁止にされました。そして最初から大量の法廷警備員が廊下で威圧的に監視し、公安警察までもが廊下で監視していました。傍聴者も、一度荷物検査を受けているにもかかわらず、法廷前で再度全身を金属探知機でまさぐられ、筆記用具以外の荷物を全て奪われました。しかも財布の中身まで全て出させられ、女性の化粧ポーチまで開けさせられました。明らかにプライバシーの侵害と傍聴者への脅迫です。

私たちはこれまで何度も429を傍聴してきましたが、小銭入れまで調べられたのは初めてです。警備職員に身体検査・持ち物チェックをする法的根拠を質すと「裁判長の指示です」の一点張り。

安東裁判長は、傍聴者の小銭入れまで中身を調べるよう、警備員に指示した、ということだと思います。

また裁判中に帰る人が出て傍聴席が空席になっても、警備法廷の裁判長は新たな人を入れる事を絶対にしません。これでは傍聴抽選から外れた人や後から来た人が中に入れなくなります。これは傍聴の権利の侵害です。

そして、普通の裁判では傍聴者は途中退席しても、戻ってきてもう一度傍聴できるのに、この法廷では再入廷を禁じられました。法廷の手前、廊下からの入り口に貼ってある紙には「なお、開廷中に退廷した人の再入廷は禁止します」と掲示してあるから問題ない、と言うのが、裁判所職員の主張でした。しかし、こんな掲示は小さくて、教えられなければ誰も気づけません。傍聴者のフリージャーナリストも公判後に抗議した所、現に、傍聴者に注意を促すようなことはしていない、と職員も認めました。警備法廷の「傍聴の権利侵害」行為の一つだと思います。

2:5人も強制退廷させた異常指揮

安東裁判長は、何と5人もの傍聴者を裁判所の外まで強制排除しました。それは裁判進行に影響する行為や大声ですらありません。弁護士の「求釈明」に何も答えない検察に「はあ?」と一言発しただけの人。被告人のAさんと弁護団の陳述が終わった時に拍手しただけの人。Aさんに「次回もこの法廷に来なさい」と突然告げた裁判長に、裁判の終了後に「大法廷を」と言っただけの人たちが、法廷警備員にはがい締めにされ、エレベーターに叩き込まれ排除されました。それに警察官が同行し、職員はビデオで撮影し、少しでも抵抗したら逮捕する気なのです。

安東裁判長はAさんの陳述をまるで聞ききません。傍聴席をにらみ続け、法廷にいる警備員と常にアイコンタクトを取り続けていました。そして誰かが一言でも発すると「傍聴席は喋るな」と10数回も言い続けました。まるで戦前の特効警察が「非国民」をあぶり出し逮捕・拷問するように、「今誰が発言した?」と法廷警備員に確認し、職員が指名した人を涼しい顔で次々排除しました。

こんな暴力は許されません。

 

3:警備法廷と暴力的な訴訟指揮の中止を

429号警備法廷は、近年の公安事件で必ずと言って良いほど使用されていますが、こうした傍聴人脅迫と強制排除がやられ続けています。

例:「2.9竪川弾圧裁判」、「裁判所前の男・大高さん裁判」、「山谷転び公妨弾圧裁判」など多数。

http://www.labornetjp.org/news/2013/0918hokoku

http://www.labornetjp.org/news/2013/0709hokoku

http://www.labornetjp.org/news/2012/0518hokoku/view?portal_status_message=Status%20changed

傍聴者を犯罪者扱いする法廷が使われていたら、まともな裁判が行われる筈がなく、最初から有罪の結論が決まっているようなものです。そして傍聴者があふれると分かっていながら小法廷を使い続けるのは、裁判公開原則の根底からの否定です。私たちは戦前の暗黒司法を体感しています。

この裁判は次回が6月19日13時15分からを予定しており、年明けまで続く見込みです。私たちは暴力的な訴訟指揮と警備法廷を中止し、大法廷の使用を求めています。ぜひとも今回の訴訟指揮を繰り返させない、警備法廷を使わせないために、詳細な調査と東京地裁への早急な勧告をお願いします。

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