≪Aさんの解放と『秘密保護法』の廃止を求める12.26院内集会≫報告です。

≪Aさんの解放と『秘密保護法』の廃止を求める12.26院内集会≫報告

日時:2013年12月26日 12時~14時
場所:参議院議員会館 1階講堂

はじめにこの場をお借りして、年の瀬のお忙しい中に当集会にてご発言頂いた皆様に御礼を申し上げます。

また、集会開会中に社民党副党首・福島みずほ参議院議員にご来場頂きました。当日はご予定があるとのことでご挨拶がいただけませんでしたが、当集会の会場をお借りするにあたり福島みずほ議員並びに福島事務所に大変お世話になりました。重ねて御礼申し上げます。

院内集会は大きく3つのテーマと質疑応答に分け、進行をいたしました。
以下に当日の発言者の皆様の発言内容を簡単にご紹介いたします。

①「12.6秘密法国会弾圧」の問題は何か

1)救援会メンバーの園より、「12.6秘密法国会弾圧」の経緯について説明。

2)鵜飼哲さん(一橋大学)

「特定秘密保護法(以下秘密法)の条文中、第五章「適性評価」において“国籍”が判断基準に書込まれている。また、安倍首相は官房副長官であった2001年に、私自身も企画に関わっていたNHKの番組「ETV2001 問われる戦時性暴力」に対し政治的圧力を加え番組を改ざんさせた。これらを踏まえると、安倍政権は秘密法を通して、戦争責任、植民地責任、従軍慰安婦問題強制連行などの歴史の問題において、明らかになったごくわずかな痕跡すらも秘密にしようとしているのではないかと推測される。
安倍政権下の“公共”とは〔特定の政治・官僚・利害集団の利害に基づくもの〕であり、国家の私物化にほかならない。Aさんを取り戻すという集まりにおいてこそ、民衆の公共性が生まれてくる。その取組みは安倍政権下の公共がペテンであるということを明らかにするものだ。」

3)浅野史生さん(弁護士)

(浅野さんはまずAさんの現在の状況並びに、東京地方裁判所に提出した『被疑者の早期釈放を求める申入書』http://p.tl/fh5m について解説。 )

「12月6日国会周辺不当逮捕者がいるとの知らせを受け、12月7
日未明に私が麹町署の警備関係の部署に電話で問い合わせたところ、担当者は「自分の方は何も知らない」と答えた。その時点で逮捕・身柄拘束をしていることを麹町署で把握しているはずであった。このような現場での弾圧において、初期段階での情報収集は弁護活動・救援活動上非常に重要であり、麹町署の行為はその妨害にあたる。」

②「秘密保護法」、審議と採決過程、石破発言の問題

1)海渡雄一さん(弁護士)

「12月6日の強行採決に至る秘密保護法の審議は本当に異常だった。11月25日に福島で行われた公聴会では自民党推薦の浪江町の馬場町長さえ慎重審議を要請したにも関わらず、翌日衆議院委員会及び本会議において強行採決が行われている。
(ベトナム戦争やイラク戦争を例示して)戦争は政府がウソをつき、そのウソを秘密にすることから始まる。秘密法はそのためにあるのではないか。

また、秘密法は公安警察の権限の拡大にもつながる。戦時下、特高警察が所管していたメインの法律は、治安維持法(反体制団体を
抑え込む)と軍機保護法(国家の秘密を取締る)。公安警察は反体制組織の弾圧だけでなく、今後は反戦・憲法改悪反対の声などを取り締まるため、戦前の特高警察のような組織に生まれ変わろうとしているのではないかと危惧している。
(石破テロ発言をうけて)反戦の声、秘密法反対の声をテロ行為と規定し社会から孤立させようとする、それを決して許してはいけない。Aさんを守らないといけない根拠がそこにあるのではないか。」

※海渡さんが呼びかけ人をつとめる『「秘密保護法」廃止へ!実行委員会』では、署名活動と1月24日の通常国会開会日に国会包囲の呼び掛けています。最新の情報はこちらをご覧下さい。http://www.himituho.com/

2)神原元さん(弁護士・官邸前見守り弁護団)

「11月28日に自民党石破幹事長は「単なる絶叫戦術はテロ行為とその本質においてあまり変わらない」とブログに記載した。
http://ishiba-shigeru.cocolog-nifty.com/blog/2013/11/post-18a0.html

これに対して私たちは12月2日、自民党本部に抗議声明を送付した。また、翌3日に自民党本部に抗議の電話をした際に、議員個人の発言だから党とは関係ない、などと言われるかと思っていたが、担当の猪俣氏という方から「官邸前で声を上げているような人はテロリストと言われてもしかたがない」ということを言われた。政党で市民の窓口となる人がこのような発言をするのは、石破幹事長個人というより自民党全体がこのように考えていることを示しているのではないかと危惧する。自民党が考える民主主義とは少数意見は聞かない、話し合いや議論の時間は極めて短い、逆らう人間はテロリスト扱いすることなのか。選挙で多数派を占めてしまえば何をしてもいいのだろうか。民主主義は白紙委任ではない。

Aさんを取り戻すことは、私たちの民主主義を取り戻すことだ。」

3)木村結さん(東電株主代表訴訟)

「私は今臨時国会を何回か傍聴した。そこで分かったのは委員会に所属していない議員は法案すら読んでいない、委員会の与党議員は欠席が多い、与党議員の野次と怒号は野党発言者の声が聞こえないくらい騒々しい、ということ。立法府という役割を国会が担えていない。それは官僚が次々と法案を出してきて、十分審議されることなく、採決をするためだけの要員に国会議員がなっているからではないか。

秘密法採決直前の本会議場は、民主党議員が議場内に戻ることを自民党・公明党が止め、すでに騒然となっていた。「何が起こっているのか?」と前の席のカメラマンや衛視に聞いたら、衛視は喋るなと言うだけ。筆記用具以外は取り上げられ、ロッカーに入れさせられる。そうした状況下でのAさんの抗議。今の国会では何をしても逮捕されてしまうのではないか。しかし国会というのは本来、開かれていなければいけないはずだ。

NHKは国会中継の放送の裁量を決めている。衆議院委員会では安倍総理が退席をしたら放送終了。その直後に採決が行われたが、その場面は放送しなかった。国会を傍聴する、それは私たちの権利である。そこで見たことを市民が公開していく。ひとり一人が努力をしていかなければ、本当の意味での民主主義を勝ち取ることができない。どんどん奪われてしまう。議員紹介席とたった30枚の一般傍聴席。傍聴券の配布の仕方がおかしい。そういうことをひとり一人が「おかしい」と声を上げていかなくてはならない。」

③秘密法反対と弾圧反対のこれから

1)前田能成さん(出版労連)

「出版労連の関係者が12月6日本会議前に議員面会所で偶然Aさんと話をしていた。「ホントに普通の、この問題について非常に憤っている方。何らかの意図をもって議場に押し入って審議を妨害するような方ではない」Aさんにその様な印象を抱いたそうだ。

私が12月5日参議院ロビーで委員会会議の映像を見ていた時、初めて国会に傍聴に来たという60代くらいの女性が「こんなの日本じゃない、こんなの私たちの国じゃない。何でこんなことが起こるの。みんな何で怒らないの」と言いながら泣き出した。もしこの女性が議場にいたら、国会の中と外のギャップを感じ、気持ちが昂ってAさんと同じようなことをしてしまったかもしれない。労働組合の活動の中ではビラ撒きの規制などで警察と揉めることもあるが、対処の仕方を知っている。だが、今回のように多くの一般市民の方が義憤に駆られて国会に来ている中では、集会の呼びかけ人としての立場から彼らを守ることも考えなければならない。

解釈改憲、立法改憲に向けて進んでいく安倍政権の本質的な問題に対し、退陣を迫っていかなければならない。次回通常国会に、国家安全保障基本法と共に表現の自由を規制する児童ポルノ法改正案、青少年健全育成基本法案が出される。また児ポ法の単純所持規制は警察の違法捜査がし易くなる可能性があることに危惧を抱く。この様な法案が安倍政権が望む改革に向けての土台作りだとするなら、ひとつひとつの法案に反対する人々が横に広がり、結集し、問題に取組んでいく。そしてそれが、Aさんのような一般の方が逮捕されるようなことがないよう補い合うことに繋がるのではないか。

出版労連としても、また日本マスコミ文化情報労組会議(MIC)としても、年明けからも様々な取組みをしていく予定だ。」

2)山口正紀さん(ジャーナリスト、元読売新聞記者)

「これほど民意とねじれた国会はなかった。人々の怒りがピークに達した12月6日夜、議場では国会への怒りを表現するためのものが何もない、靴しか抗議を示せない状態であった。石破テロ発言に見られるように、今後Aさんに突き付けられた「威力業務妨害」が国会周辺で抗議をするすべての人に向かうかもしれない。その片鱗は自民党改憲草案で表現の自由を規制する記載(※ 第二十一条2 前項の規定にかかわらず、公益及び公の秩序を害することを目的とした活動を行い、並びにそれを目的として結社をすることは、認められない。)にも見られる。

議場を一時騒然な状態に陥れたのは誰なのか。公約にもない法案をいきなり提出しパブリックコメントや公聴会での民意を無視し、強行採決をする。議場が騒然となるのは当たり前。それに対する抗議をしたAさん一人にその罪をなすりつける行為。国会議員は法案をきちんと審議し知らせていくことが職務であって、彼らこそ威力業務妨害だろう。私は、警察による逮捕事実だけでそのまま警察発表を鵜呑みにし被疑者扱い犯人扱いして人権侵害をする報道の在り方に30年反対し続けてきた。この様な弾圧による逮捕は、どのような状況下で起こったのか、弾圧の実態を伝えていくのが最大のメディアの役割だ。今後秘密法で逮捕されたら「秘密法に違反した」と報道するのだろうか。

東京地方裁判所429号法廷(Aさんの勾留理由開示公判も行われた)はまともな取材も傍聴もできず「裁判長声が聞こえません」と言ったら退廷になる法廷であるという実態をメディアは報道しない。裁判所に抗議をした方に対してデッチあげられた弾圧事件を裁判所が裁き有罪判決を出す、そんな無法地帯が今霞が関にある。秘密法が施行されたらこういう暗黒社会になるのだと伝えていくのがジャーナリズムの役割。報道の自由は、市民の表現の自由を守るものであり、ジャーナリストが代わりに表現している。市民の表現の自由が抑圧されている時に、ジャーナリストは弾圧を批判して、暴いていかなければならない。」

④会場からの発言

井戸川克隆さん(前双葉町長)

「政府は健康問題より経済問題に注目させようとしている。しかし、お金があっても健康を害していては何の役にも立たない。今、日本人として反省しなければならないことがある。お金に変えられないもの、お金に変えてはいけないものをきちっと区別して見直していくことが必要。
これは私が様々な活動の中で感じたことだが、署名提出行動において、行政側が要望を受けても、署名の法的拘束力はない。私たちの法的な権利が保障されていない。このような現状で国民の主権をどのように表すか。国会議員や知事をひとり一人が調査して評価する必要があるのではないか。過去10年くらい何をしていた人なのか、吟味していく。それが日本の民主主義を守り発展させる道ではないのか。」

<院内集会に向けて、Aさんからのメッセージ>

「みなさん、今日はこの集会に集まっていただき本当にありがとうございます。

私のような一市民の普通の感覚から見ても、特定秘密保護法が絶対に許されないものであることは明らかです。このような法律を強行採決で成立させた安倍政権は、ヒトラー政権のような危険な政権だと感じざるを得ません。

また今回の特定秘密保護法強行採決はある種の「クーデター」でもあります。このことによって、安倍政権は自らの政権の正当性を放棄しました。今首相官邸を占拠しているのは、私たちの信任に基づかない「クーデター」政権です。このことに私たちはもっと怒らなければなりません。そしてその怒りで世論を動かし、一日でも早く特定秘密保護法を廃止しましょう!

私は明日27日までに必ず自由の身となり、みなさんと再会できると信じています。

秘密保護法と闘う男より」

決議文:
「今日、ここ12.6院内集会に集った私たち特定秘密保護法に反対する有志は、東京地検に対して、Aさんの早期解放と不起訴を強く求める。」

呼び掛け人としてご協力して頂いた方をご紹介いたします。(五十音順・敬称略)

浅野健一(同志社大学教授)、浅野史生(弁護士)、一瀬敬一郎(弁護士)、鵜飼哲(一橋大学教授)、海渡雄一(弁護士)、火炎瓶テツ(レゲエ・ディージェー)、神原元(弁護士)、木村結(東電株主代表訴訟)、田島泰彦(上智大学教授)、高橋哲哉(東京大学教授)、前田能成(出版労連)、山際永三(映画監督)、山口正紀(ジャーナリスト、元読売新聞記者)、山本太郎(参議院議員)、吉田哲也(弁護士)、12.6秘密法国会傍聴者弾圧救援会

当日は年の瀬にも関わらず約100名の方にお集まりいただきました。また会場で呼び掛けをさせて頂きましたカンパは、94,139円でした。皆さまに支えられ、無事に集会を終えることができました。ありがとうございました。

≪東京地検への署名提出行動≫

要請事項:

①2013/12/6に参議議本会議場「威力業務妨害」容疑で逮捕され現在麹町署に拘留されているAさんを直ちに釈放すること

②Aさんを直ちに不起訴にすること

③Aさんに何ら必要のない勾留要請をしたことを謝罪すること

署名:5363筆

東京地検への抗議と、およそ30名の参加者ひとり一人が東京地検へ向けて発言をしました。
職員の方が入口まで出て来てから、要請書と決議文、院内集会に向けてAさんからのメッセージを読み上げ、署名を提出しました。

前回12月16日の署名提出時と同じように、東京地検の職員の方は「名刺を用意していない」とのことです。Aさんの氏名・住所を公表し、市民が氏名・住所を記載した署名を受取る国家公務員が、氏名・身分を隠す。署名を渡す相手がどこの部署のどなたなのかが分からなければ、私たちはたくさんの署名が宛先の方に届いたかどうかを確認することもできません。名刺がないということなので身分証を確認させてもらいました。検察庁最高検察庁総務部シマダ氏・ナガシマ氏に署名を託し、担当の鈴木検事に渡すことを約束してもらいました。

院内集会から長時間にわたりご参加いただいた皆さま、本当にありがとうございました。

院内集会と署名提出の映像 http://p.tl/N-lp(YOUTUBE)
IWJ 院内集会の映像http://www.ustream.tv/recorded/42103901

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